妊娠中の歯科治療について
妊娠中の受診に最適な時期と歯科治療についての注意点は?
● 妊娠初期(妊娠0~15週)
お腹の赤ちゃんの体の重要な器官が作られる大切な時期です。
流産のリスクも考え痛みや炎症をとりあえず抑えるための応急処置に歯科治療はとどめ本格的な歯科治療は安定期に入ってからか出産後に行うほうが望ましいです。
かかりつけの歯科医院で定期的に検診や経過観察を行ってください。
● 妊娠中期(妊娠16~27週)
胎盤が完成する安定期に入ります。
妊娠中に一般的な歯科治療を受けるには最適な時期となります。
抜歯などの外科的な治療は産科の主治医に許可を取ってから行うのが望ましいです。
● 妊娠後期(妊娠28~39週)
歯科治療時に仰向けで診療を受けると大きくなった子宮に大動脈を圧迫され低血圧症を起こしやすくなります。
歯科検診や歯科治療の際はなるべく短時間での治療や応急処置にとどめ無理をせず体調に合わせ歯科治療を受けることが望ましいです。
歯科のレントゲンの影響は?
日本に住んでいる人が1年間に浴びる自然放射線量は約2.1mSvと言われています。
歯科治療の際に使用される歯科用デンタルレントゲン撮影一枚につき約0.008mSV、パノラマレントゲン撮影一枚につき約0.01mSvです。
年間の自然放射線量と比較しても歯科用のレントゲン撮影の放射線量が少ないことがわかります。
レントゲン撮影時には鉛の入った防護エプロンを装着して撮影を行いますので安心です。
妊娠中だからということでレントゲン撮影をせずに経過観察を行ったり歯科治療を行うことは正確な診断が出来ずに逆に重篤化などを招く場合がありますので必要最低限の検査を行い歯科治療を受けることをおすすめします。
歯科用の麻酔は大丈夫?
一般的な歯科治療で多く使われている局所麻酔薬リドカインは無痛分娩や帝王切開にも使用されており妊娠全週で問題なく使用できる麻酔薬です。
妊娠中の歯科治療の際に通常量を使用すれば問題ないとされています。
歯科で処方されるお薬は服用しても大丈夫?
歯科では比較的安全性が高いとされるお薬をその効果がお腹の中の赤ちゃんへの影響を上回ると判断した場合にかぎり必要最低限のお薬の処方を行います。