歯ブラシをするのが面倒くさく虫歯の治療をするのも嫌なので全部歯を抜いて総入れ歯
にしたいというお問合せが時々あります。
確かに歯がなければ虫歯になることも歯周病になることもありません。
全て歯を抜くといっても残っている歯が数本のケースと多くの歯が残っているケース
では話はかなり変わってきます。
歯があと残り数本というケースだとすでに部分入れ歯を使用していて総入れ歯にしたと
しても早めに順応しやすいと思われます。
あと入れ歯の装着経験がない方は入れ歯を装着することによって咬める範囲が広くなり
食事がしやすくなりQOLが向上することもあります。
一番の問題のケースは多くの歯が残っていていきなり歯を全部抜いて総入れ歯にしたいと
いう相談です。
今まで歯があったところに下記の上下の入れ歯が入ることを想像できていない人が意外
と多いです。

歯がないところに入れる総入れ歯を維持するのは顎堤(歯茎とその直下の骨)のみです。
部分入れ歯であれば歯が入れ歯を支えてくれますが、総入れ歯は顎堤のみです。
部分入れ歯の噛み合わせの力は条件にもよりますが天然歯と比べて40〜50%ぐらい
と思われます。
総入れ歯となると20%前後ではないかと思われます。
あと特に下顎の総入れ歯というのは上顎に比べ吸着させるのはかなり難しく歯があった
時に比べますとかなりQOLは低下すると思われます。
なのでこのような相談があった場合は残せる歯があり、義歯作製の障害になるような
状況でなければなるべく抜かないで使うことをおすすめいたします。
インプラントを1本入れる場合の金額が数十万円掛かること考えますと歯の一本一本の
価値がお分かりいただけると思います。
なんでも抜かずに残せば良いというわけではありませんが、歯は普段のご自身のケアと
歯科医院での定期的な検診や清掃によって寿命を延ばすことができます。
残っている歯の本数が少なくても磁性アタッチメントを使用したりドイツ式テレスコープ
義歯を入れることにより義歯の咬合力を上げることも可能です。
現在ご自身の歯が心配でこのようなことを考えている方、歯がボロボロで悩んでいる方は
まず一度受診していただきご相談されることをおすすめ致します。
監修
赤嶺歯科クリニック 院長 赤嶺雄志