「最近、歯ぐきから血が出るな……」
「健康診断で血糖値が高めって言われたけれど、お口のケアも関係あるの?」
一見、お口のトラブルである「歯周病」と、生活習慣病である「糖尿病」。
まったく別の病気のように思えますが、実は「切っても切れない深い関係」があることが
近年の研究で明らかになっています。
今回は、この2つの病気がどのように影響し合っているのか、そのメカニズムと今日からで
きる対策をわかりやすく解説します。
結論から言うと、歯周病と糖尿病には非常に深い関係があります。
片方が悪化するともう片方も悪化するという、いわば「負のループ(悪循環)」の関係にあります。
現在、歯周病は糖尿病の「第6の合併症」とも言われており、医科と歯科が連携して
治療にあたるケースが増えています。
ちなみに糖尿病の6大合併症とは
1 糖尿病性神経障害
2 糖尿病網膜症
3 糖尿病性腎症
4 虚血性心疾患
5 脳血管障害
6 歯周病
なぜ関係があるの?「負のループ」のメカニズム
お互いに悪影響を及ぼし合う理由は、主に「細菌への抵抗力」と「体内の炎症」
が関係しています。
1. 糖尿病があると、歯周病が悪化しやすい理由
免疫力の低下: 高血糖状態が続くと、細菌と戦う白血球の機能が低下し、歯周病菌に
感染しやすくなります。
組織の修復力が落ちる: 糖尿病によって血管がダメージを受けると、歯ぐきに十分な
栄養や酸素が届かなくなり、歯周病の進行が早まって治りにくくなります。
2. 歯周病があると、糖尿病が悪化しやすい理由
インスリンの働きを邪魔する: 歯周病が進行すると、歯ぐきの血管から
「炎症物質(サイトカイン)」が血液中に入り込み、全身を巡ります。
この物質が、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きを阻害(インスリン抵抗性)
してしまうため、血糖値のコントロールが難しくなります。
歯科医院できちんと歯周病の治療を行うと、糖尿病の指標である「HbA1c」の数値が改善する
可能性があることも、多くの研究で分かっています。
あなたは大丈夫?お口の危険度チェック
歯周病は初期段階では痛みがほとんどありません。以下の症状に心当たりがないかチェックしてみましょう。
[ ] 歯磨きのときに歯ぐきから出血する
[ ] 朝起きたとき、お口の中がネバネバする
[ ] 歯ぐきが赤く腫れている、または下がって歯が長く見える
[ ] 家族や周りから口臭を指摘された
[ ] 以前より歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい
複数当てはまる場合は、気づかないうちに歯周病が進行している可能性があります。
悪循環を断ち切るために!今日からできる3つの対策
糖尿病のケアにとっても、お口の健康を守ることは非常に重要です。以下の対策を習慣に
していきましょう。
丁寧なセルフケア(毎日の歯磨き+α)
歯ブラシだけでは、歯と歯の間のプラーク(歯垢)は6割程度しか落とせません。
デンタルフロスや歯間ブラシを必ずセットで使いましょう。
定期的な歯科検診(3〜4ヶ月に1回)
歯石などの頑固な汚れ(バイオフィルム)は、お家の歯磨きだけでは落とせません。
歯科医院でのプロによるクリーニングが不可欠です。
受診時は「糖尿病」であることを伝える
糖尿病をお持ちの方や血糖値が高めの方は、必ず歯科医師にその旨を伝えてください
歯周病と糖尿病は、どちらか一方だけをケアするのではなく、両方を同時にケアしていくことが
健康長寿の秘訣です。
お口の中を清潔に保つことは、全身の健康を守る第一歩。最近歯医者さんに行っていないな
という方は、ぜひこの機会に定期検診の予約をしてみてはいかがでしょうか。


























